インポスター症候群とは、自分が積み重ねてきた実績や能力を認めることができない状態のことを指す言葉です。つまり仕事などで功績が認められ、他者からしっかりと評価されているのにも関わらず、自分自身のことを過小評価してしまうということです。
インポスター症候群という言葉は、臨床心理学者であるスザンヌとポーリンが提唱した概念が由来となっています。その概念とは、「成功」という実績があるにも関わらず、その実績を残した当事者がそのことを認められず、「自分が他者を騙して評価を得ている」と思い込んでします現象があるということです。この現象に関して、偽物や詐欺師という意味を持つ「インポスター」という言葉が用いられたのがきっかけとなり、そういった心理状態のことをインポスター症候群と呼ぶようになったのです。
インポスター症候群は、名前だけ聞くと病気のように思われがちですが、実際は正式な病名ではなく、心理傾向や気質を表現する言葉として用いられています。しかし、病名ではないからと言って楽観的にとらえてよいかというと、そういうわけではありません。インポスター症候群は、人によってはそのネガティブな思考が大きな精神的な負担となってしまい、日常生活が通常に送れなくなってしまうということもあります。
もし、身近にインポスター症候群に陥っている方がいたら、楽観的に状況を判断せずに、寄り添いながら改善に向けての支援活動を行うようにしましょう。また、インポスター症候群の特徴なども知っておくとより良いサポートを行えます。